生年月日で運命が分かるのはなぜだろう?
以前「生年月日だけで運命が分かるのはなぜでしょうか?」というご質問を受けたことがあります。
その次に続くのは「生年月日で運命が決まるのであれば一卵性双生児は運命が同じことになりませんか?」というご質問です。
たしかに、そのように疑問に思うのは自然なことですね。
もしかしたら、その言葉の背景にあるのは「誕生日ごときで運命を決められてたまるか」という気持ちかもしれません。
私は占星師でありながら、そのお気持ちはよーくわかります。
やみくもに何かを信じるよりも、そのように疑問を持つのはとても大切なことだと思います。
今日は、
占星術ではなぜ生年月日が意味を持つのか?
双生児の場合はどうなのか?
運命の中で生年月日はどのくらい意味を持つのか?についてお話ししたいと思います。
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占星術では、なぜ生年月日&時間が意味を持つのか?
以前、一般的な占いの「〇〇座」はあなたの太陽で書いたように、「私は〇〇座です」というような場合には、生年月日を元に太陽の位置だけで占っています。
超簡略化された占いが普及した理由は、太陽の位置は生年月日さえわかれば割り出すことができるためです。
しかし、占星術において非常に重要なのは、実は正確な出生時間を元にした天体の位置なのです。
そのため正確な出生時間がわかるかどうかによって鑑定結果に大きな影響が出てきます。
どのくらい違うかというと、出生時間がわかる場合を100とすると、時間がわからない場合は20以下の精度にすぎません。
占師や占術によって感覚は違うと思いますが、個人的にはさらに精度が低いと感じます。
出生時間をどうやって調べるかというと、通常は母子手帳を確認するのが一般的。
母子手帳の時間が必ずしも正確ではない(数分ズレている)ことも多いのですが、それはやむを得ないことでしょう。
ここでのポイントは『何をもって出生時間とするのか』ということです。
医療上の正確な定義はわかりませんが、出産時「赤ちゃんの全身が母体から出た時間」とするのが一般的のようです。
しかし、占星術における出生時間はそれとは異なり『赤ちゃんが初めて呼吸をした瞬間』です。
それまで母親と一体だったものが、この世に生まれて初めて呼吸をした瞬間、その場に流れているエネルギーがその子に刻印されるのです。
それは細胞レベルだけではなく宇宙空間における刻印です。
新しい生命が誕生するインパクトというのはすさまじいものがあり、瞬間的な宇宙との呼応により鋳型ができるわけです。
そして、それは、人生における青写真となります。
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同じ時刻に生まれる双生児の場合はどうなのか?
では同じ場所、同じ時間に生まれた双生児の場合はどうでしょうか?
この場合、自然分娩なのか、帝王切開なのかでも違ってきそうです。
自然分娩であれば、生まれる順番で出生時刻がズレますが、帝王切開の場合はほぼ同じということもありえますね。
そのような場合、運命はどうなっていくのでしょうか?
ここで、これまでお会いしたことのある双生児のケースを例にしてみたいと思います。
ある時、一卵性双生児だという方にご相談を受けたことがありました。
お話を伺うと一卵性双生児にもかかわらず『自分ともう一方』とでは全くタイプが違うとのこと。
お一人はデスクワークが好きで、お一人は体を動かすほうが好き。
お話の中で分かったことは、双生児であるにもかかわらず、出生時間が7分も違うということでした。
7分といえば西洋占星術ではけっこうな時間差です。
ホロスコープを拝見すると、お二人のアセンダント*のサイン**が違っており、さらにいくつかの感受点が異なるハウス***に入っていました(注記参照)。
7分間の差によって、一卵性双生児であっても個性が違い職業もガラリと異なっていたのです。
では、出生時間が同時刻でサインもハウスも同じ双生児は同じ運命のたどるのでしょうか?
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運命の中で生年月日、時間はどのくらい意味を持つのか
占星術をしていると運命論者だと思われがちですが、そんなことはありません。
占星術というのはあくまでもその人の運命の方向性やサイクルを見るための技法です。
占いによって未来予測をしたり詳細な鑑定もできるのですが、それ以上に重要なことはどれだけ意志の力を用いるかです。
人間の運命を形作っている要素として、自由意志以外には次のようなものが考えられます。
遺伝的要因
ここでいう遺伝的要因というのは主にフィジカルな遺伝のことです。両親だけでなく先祖代々受け継がれてきた遺伝子の影響は非常に大きいといえるでしょう。身体というのは単なる肉の塊ではなく精神的・霊的な現れでもあります。生物学的なDNAだけでなく心(魂)の遺伝も関係します。
占星的要因
生まれながらに持っている人生の設計図。生まれ落ちた瞬間に運命が決められているように思うかもしれませんが、実はその人生を設計したのは自分自身です。宿命は占いによって決められているのではありません。自分で描いた人生設計図(宿命)を読み解く手段が占星術なのです。
環境的要因
どんな環境で育つかというのは大きな影響があります。どんな親にどんな言葉をかけられて育つのか、住居、食物、教育、遊び、人間関係など全てのことが関わってきます。双生児が同じ学校に入学したとしても、クラスや席が違うということは別の環境にあるということです。
空間的要因
地上においてどのように空間を移動をするのかということも大きな影響があります。一般的には引越しが大きな影響を持ちますが、引越し以外にも、学校や仕事やレジャーにおける移動など全てが関係してきます。特殊な事例を除き、一生を通じて二人の人間が全く同じ行動をとるということはありえません。
このように、運命を方向付けるのは生まれ持った宿命だけではなく、さまざまな要素が絡み合ってその人だけの人生が創造されていきます。
当然のことながら、運命の要因についてここで語りつくすことはできません。
実際には上記の要因以外にも、前世、カルマ、集合意識、時空間の浸透なども影響しています。
これらについては、いつか場を設けてお話しできればと思っています。
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【注記】
*アセンダントとは、出生時に東の地平線から昇る黄道上の点。占星術における重要ポイント。
**サインとは、春分点を基準にして黄道に沿って12分割したもの。天文学的な星座とは異なる。
***ハウスとは、地上において星が見える方位を12分割したもの。分割法によって異なる。