家族が癌ステージ4であることを知ったとき
以前、妹が30代前半で乳癌と診断されました。
まだ若く元気で、どこも悪く見えないにもかかわらず、癌が見つかったときにはすでにステージ4でした。
「なんとなく気になってはいたけれど・・・さすがにヤバいかなと思って病院にいったら癌だった」とのこと。
妹はおっとりしたタイプで鈍くさいところがあるのですが、それにしてもそんなに大きくなるまで放置していたとは・・・
「どうしてそこまで放置してたの!」と声を荒げそうになりましたが、そのような状況で厳しい言葉を投げつける気持ちにはなれませんでした。
取り乱した様子もなく静かに語る彼女に対して私は驚きと悲しみで崩れ落ちそうになりながらも、どうにか冷静な態度を装いました。
癌のステージ4というのは当然ながら非常に厳しい状態なわけで、手術を行ってもその先の可能性はまったく保証できないとのこと。
それはそうだろうなぁと、耳をふさぎたいような聞き流したいような気持ちになりました。
誰よりも大切な妹がそのようなことになって、正直言って泣きそうになったのですが、実際に私がしたことは今後の病院の手続きやスケジュールなど事務的な確認ばかり。
嘆いてしまっては負のエネルギーを彼女に送るだけだと感じ、必死で客観的になろうとしていました。
湿る言葉をどうにか乾かして軽やかに話すのはなかなか辛いものがありました。
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病気と引越し(方位)の関係
そもそも彼女の病気については20代のころからうっすら懸念していたところがあります。
気配やオーラ的な変化があったものの、当時は会う機会が少なかったため忘れてしまっていました。
健康には気を付けるようにと何度か言っていましたが、まさかそんなに早く劇的な形で現実化するとは思いませんでした。
当時、占師として私がいちばん気になっていたのは彼女の引越し歴でした。
引越しと病気と何が関係あるの?とお思いかもしれませんが、じつは関係があるのです。
これは方位術というもので、凶方位をとったり吉方位をとったりすることで、それに関連する具体的な象意がかなりの確率で出てきます。
通常はあまり気にする必要はありませんが、凶方位を重ねて取ると強い影響がでることがあります。
もしそれが最大凶方位だと致命的な結果もありえます。
妹も当時、何度か引越しをしていたため気になっていたのですが、それについてアドバイスをすることはありませんでした。
私はなるべく占いを「信じる」という態度は持たないようにしていて、代わりに統計や分析によって裏付けしていくことを好みます。
当時は方位術についてデータを集めている最中で、その影響についてまだ確信を持てずにいたのです。
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乳がんの手術の結果とその後
ここで、途中経過をポーンと飛ばして結果からいうと、妹の手術は成功しました。
全摘出ですから再生手術は必要になりますが、とりあえず悪いところは取り除くことができました。
「転移もなさそう・・・たぶん」とのこと。
身内の立場からするとホッとしたものの、その後の抗がん剤治療は本当にかわいそうでした。
妹は人前に出て表現をする華やかな仕事をしていたので特に見た目が重視されます。
しかし、骨と皮ばかりに痩せて、髪もすべて抜け落ちてしまったため、そういった仕事は断念せざるを得なくなりました。
後に髪の毛は生えてきたものの髪質が変わってしまい濡れた子猫のような状態になったためウィッグが必要になりました。
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せっかく癌の手術が成功したのに・・・
癌が発覚した直後、余命いくばくもないといわれていた頃に妹は結婚しました。
心優しい彼女の夫は病に伏せる妹を受け入れてくれたのです。
治療を受ける前にウェディングドレスを着て、写真だけ取ってお祝い。
誠実な人と結婚できて良かったね、と思ったのも束の間。
抗がん剤治療が終わった頃に、義弟は会社を辞めて転職をすることに。
それも東京からはなれて地方都市へ引越しすることになったのです。
転職先がどこにあるのかを聞いた私は愕然としました。
その年、その月、その方角に引越しをしたら、妹の病気は必ず再発してしまうと私の占いで出ていたからです。
しかし、義弟が立派な大人として決断したことについて「占いの結果が良くないから転職はやめなさい!」と言うのは憚られました。
たとえどんなに確信があったとしても、それを押し付けるのは他者への干渉にすぎません。
とりあえず「いまその方角に引っ越すと再発の可能性があるよ」とさりげなく伝えるだけに留めました。
あとは、引越し後には定期検査をしっかり受けるように伝え、義弟にはできることなら早く戻ってきてほしいと伝えました。
ここでもっと強く伝えるべきだとお思いになる方もいらっしゃるかもしれませんが、人は自分が望んでいないアドバイスを受け入れることはありません。
思いを伝えた後は、本人が気づくまで信じて待つしかないのです。
これが占いの限界なのですが、占い結果をうまく活用するかどうかも、その人の運命に組み込まれているのです。
数か月後、彼らはその地方都市に引越していきました。
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新居の「氣」と風水からわかったこと
彼らが旅立ってしばらくして、私は新居を訪問しました。
家に入り、密かに環境と風水をチェック。
そしてニッコリ。
あまりにも彼らと「氣」が合わない部屋を見て、そこに長く住むことはないと直感しました。
彼らと部屋の「氣」が完全に分離していて混ざり合う気配がありません。
部屋だけでなくその都市とも合いそうにない様子を見て、そこでの生活は長く続くことはないと確信して東京に戻ってきました。
そこで感じたことは彼らには伝えませんでした。
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引越しをした結果、病気は再発したのか?
引越ししてから約半年後、彼らは早々と東京に戻ってきました。
私は何のアドバイスもしていません。
理由は、新しい仕事と生活が二人に合わなかったことと、東京でさらに良い仕事のオファーがあったためでした。
最も心配していた妹の癌の再発については、残念ながら予想していた通りになってしまいました。
再発しただけでなくリンパにも転移していたためさらに深刻な状況に。
またしても手術が必要になりました。
手術は一回では済まないかもしれないとのこと。
しかし、その時の私は不思議とまったく心配しませんでした。
初めて妹の癌を知った時は気が動転していて冷静に見ることが出来なかったのですが、今回、妹の顔に死相は全くありません。
手相も非常に力強い状態でしたし、ホロスコープの状態も好転のきざし。
引越も半年という短い期間でしたから、方位の影響も比較的少なくて済みそうです。
リンパに転移していたこともあり医師はまた不吉な宣告をしましたが、そのとき私は妹に「絶対に大丈夫だから安心して」と確信を持って声をかけてあげることができました。
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末期がん、引越し、病の再発、そしてその後・・・
そして手術から10年。いま妹は元気に暮らしています。
髪質は変わったものの今ではサラサラの美しい髪になりました。
最近、念願だったペットを飼ったよ!と嬉しそうな連絡もありました。
ステージ4で余命宣告を受けた人とは思えないほどエネルギッシュで、私の見立てだと彼女は長生きしそうです。
今、さまざまなデータや体験から思うのは、やはり引越しや遠方への旅行は慎重にしたほうが良いということです。
占いは気にしすぎないほうが良いですし、必ずしも吉方位を取る必要はありませんが、最大凶方位だけは避けたほうが良いと感じます。
その影響は遅かれ早かれ出てきてしまいますから。
最後に、僭越ながら、いま思うことをお伝えしたいと思います。
もし家族が病気になった時の心構えがあるとするならば、それは周囲の私たちが平常心でいることかもしれません。
悲しみをこらえて、いつも通り普通に接すること。
そうしなければならない理由は、精神的に強くあれ!ということではありません。
悲しみというのは陰のエネルギーが非常に強く、周囲を引きずり込む力があるため、相手にまで強い影響を与えてしまうからです。
そのため、当人がせっかく治りたいと努力していても、身近な人が嘆いているとその負のオーラが相手にまで伝わって足を引っ張ることになります。
頑張って治ろうとしているのに、周囲がわざわざそれを阻んでいるようなものです。
そして、嘆きが強ければ強いほど、相手への影響は増大します。
感情をコントロールするのは本当に難しいことですが、病気の回復を願うならば、周りから率先して気持ちを陽に切り替えなければなりません。
また、感情というのは頭の中だけで起こるのではなく、周囲のエネルギー場を変えるほどの力があることも忘れてはならないでしょう。
愛する人の病気が治って家に帰ってくることが当然と信じ、明るく平常心を保ち続けることが家族にできることかもしれません。
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