ビル・ゲイツ氏とウォーレン・バフェット氏の教え
先日、米国コロンビア大学で学生たちを前にビル・ゲイツ氏とウォーレン・バフェット氏が揃ってトーク＆ディスカッションを行いました。
ビル・ゲイツ氏は皆さんご存じマイクロソフト社の創業者ですが、ウォーレン・バフェット氏についてはご存じない方も多いかもしれません。
ウォーレン・バフェット氏は世界最高の投資家の一人であり「投資の神様」「オマハの賢人」と呼ばれ人々に敬愛されているスーパー大富豪。
下世話な話をすると現在、ビル・ゲイツ氏の資産は約9兆円、ウォーレン・バフェット氏の資産は約8兆円ほど。
一代で財を成した彼らはとても気が合い、お互いに尊敬し合い普段から仲が良いようです。
その発言一つで世界経済が大きく動くほどの二人が、学生たちに向けていくつかの人生のアドバイスをしています。
情報が溢れる今、とりたてて目新しい内容というわけではないのですが、彼らが口にするとその言葉の重みが違います。
1930年生まれのバフェット氏と1955年生まれのゲイツ氏。
この動画は日本語訳が無いのでわかりにくいですが、とぼけたユーモアを連発する親父さん（バフェット）を苦笑しながら見守る息子（ゲイツ）、というかんじの2人の関係が垣間見えてほほえましい。
Live with Warren Buffett to discuss our hopes for the future…
Bill Gatesさんの投稿 2017年1月27日
この動画では、いくつもの人生のアドバイスが出てきます。
想像を絶するプレッシャーの中で長年にわたって成功者でありつづけるというのは、凡人には理解できない試練の連発だったはず。
にもかかわらず、サラリと楽しげに語る二人の様子が印象的です。
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好奇心があなたの世界モデルを変える
この動画は1時間以上あって長いので、内容をまとめてみました。
■ 好奇心が世界モデルを修正してくれる
ゲイツ氏とバフェット氏に共通していることは「好奇心」なのだといいます。
世界のことをもっと知りたいという欲求と、それを追求するのが楽しくてしょうがないという感覚。
また二人とも本を読むのが大好きで、時間があれば本を読んでいるそうです。ちなみにバフェット氏が好んで読むのは自叙伝とのこと。
このトークの中でハッとしたのはゲイツ氏が「私の世界のモデル(model of my world)」という言葉を使ったとき（07:10頃）。
彼は「自分の世界モデル」と「好奇心」の関係について次のように言っています。
「（好奇心を持って）いろいろ試してみて、それがどうなるのか予想してみます。もし予想通りにいかなければ、自分の世界モデルのどこがよくなかったんだろう？と考えるのです」
多くの成功者たちと同じようにゲイツ氏も明確な人生モデルがすでに頭の中にあって、それを現実化させようと動いているのですね。
やみくもに成功を追いかけるのではなく、成功イメージを「自分の世界」として持ち、それにそぐわない部分を冷静に分析しているのだなと思いました。
漠然とした成功イメージを持っている人は多いですが、明確な「自分の世界モデル」を持っている人はいったいどれほどいるのでしょうか。
あなたの世界モデルはどのようなものですか？ それは予想した通りになっていますか？
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「心配しなくてもどうにかなります」
ここからはウォーレン・バフェット氏が語ったことをまとめてみました。これらにはビル・ゲイツ氏も同調しています。
■ 苦手なことに投資する
バフェット氏は学生たちに対して、自分が恐れるものに向かっていくことの大切さを話しています。彼自身、コロンビア大学の学生だった頃は人前で話すことが何よりも苦手でしたが、ある日、新聞に載っていたスピーチ講座に申し込んでガラリと人生が変わったのだとか。あの時100ドルを支払ってスピーチ講座を受けていなければ今の自分はいなかったと断言しています。当時の大学生にとって100ドルといえば結構な額だったはずですが、それを恐怖克服のために投資するというのはさすが投資の神様ですね。
■ 失敗してもあきらめないこと
話の中でバフェット氏は、失敗してもあきらめずに前へ進むことの大切さを強調しています。彼の話しぶりからすると「石の上にも三年」のような不屈の忍耐力よりも、上手くいかないことがあってもそこで立ち止まらず前進し続けることの大切さに重きを置いているような気がします。あきらめさえしなければ「心配しなくてもどうにかなります」というバフェット氏の言葉が心強い。
■ やる必要がなくてもやりたいことを探す
バフェット氏は、自分に本当に合っている仕事を探すためには「働く必要がなくてもやる仕事を探す」ことだと言っています。そして、それが見つかるまで決して諦めないことが大切だと。現実的にはやりたいことだけをやって生きていくのは難しかったりしますが「探しつづける」ことが大切なのかもしれませんね。人は社会の中で何ができるかで深い充実感を感じるといわれますから、仕事にかぎらず自分らしい活動を探すことは人生の満足度につながっていくのでしょう。
■ 自分がなりたいような人と付き合おう
トークの最後のほうで、学生から人間関係におけるアドバイスを求められたバフェット氏は「とても良い質問だね」と言い、ゲイツ氏も深く頷いていました。バフェット氏は「友人や付き合う相手によってあなたの人生は形作られる」と答えています。自分よりも良い人達と付き合うようにすること、自分がなりたいような人と付き合うこと、もしそのような関係がなければ自ら向かっていくことだと。一緒にいて楽しい友達も大切だけれど、自分がなりたいような人達と関わることによって人生は大きく変わっていくのかもしれません。
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成功者が行きつく究極の姿とは
この動画を見ていて感じるのは、歴史に名を残すほどの世界的成功者２人がとても軽やかだということ。気負いがなく、偉ぶることも一切ない。
バフェット氏は自身の著書の中で「仕事に行く前はタップダンスを踊りたいような気持になる」と書いていますが、この方を見ていると本当にそうなんだろうなぁと思います。
成功したから軽やかでいられるのではなく、仕事を存分に楽しんでいたからこそ成功したのかもしれません。
ユーモアあふれるお茶目なおじさんバフェット氏と、常に前向きで人生も仕事も「FUN（楽しみごと）」だというゲイツ氏。
この動画を見ていると良い氣が流れているようで、見終わった後にはなぜか爽やかな気分になりました。
英語がすこし苦手な人も、ぼんやり流し聞きしてみるだけで彼らの軽やかな氣が伝わってくるかもしれません。
ちなみにバフェット氏とランチをする権利はebayのチャリティ・オークションで売り出されていたりしますのでご興味のある方はどうぞ（落札価格は1～3億円ですが･･･）。
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